Newcomer8

平成30年度
中村 貴香
TAKAYOSHI NAKAMURA

本年度からお世話になります中村貴香です。
2年間の初期臨床研修を終え医師3年目となり、産婦人科の道を歩み始めました。
私の実家は埼玉の地で産婦人科を開業しております。朝も昼も夜もなくお産になれば電話が鳴り駆けて行く両親の背中を観て育ちました。兄と共に悪戯をすると怒られる時もあれば、反省室行きとなり家奥深くの真っ暗な部屋に閉じ込められ泣いた記憶があります。今、冷静に思い返してみればそれは仕事が忙しいためであったのだと想像しています。それはかまって欲しがった子供なりのアピールであったし、それは子供を叱る間も無く仕事に追われていた結果の反省室であったと。そのような今の世であれば虐待となるかもしれない過去を持ちつつも、人の道を外れずに育つことができました。それを酷いこととも思いません、それを大きく超える愛情を受けてきた自覚があるからです。我が子を大切にするのと同じほどに、患者を母子を大事に守ってきたのだと思います。その父は一昨年の冬に膵癌が見つかり、闘病中も身体が動く間は仕事に立ち、床に伏せてからも病院の心配をして手を回しては休むことなく、そのまま昨年晩秋に永眠しました。
私も産婦人科の道へ入りました。まだ医師としても若輩に過ぎて右も左もわからず迷惑をお掛けしますが、いち早く諸先生方に仲間として認めていただけますよう日々精進して参りますので、御指導御鞭撻のほど何卒宜しくお願い申し上げます。