
平成26年度
今西 博治
HIROHARU IMANISHI
このたび聖マリアンナ医科大学産婦人科学に入局させていただいた今西博治です。今回はこのような場で自己紹介させていただける機会を得ましたので執筆させていただきます。私は芝高校という高校を卒業し聖マリアンナ医科大学に入学しました。入学後は硬式野球部に所属し、現在の上司である上里忠英先生とお会いしました。野球部で6年間お世話になり、主将も経験させていただきました。野球部の仲間は野球で全力だったのはもちろんですが、飲み会やイベント事にもまた全力投球でした。現在では聖マリアンナ医科大学に残っている先生も少なくなってしまいましたが、まだ残ってくださっている方々はこんな駆け出しの医師の相談にも親身に対応してくださり、仕事で心がくじけそうなときのよき相談相手となってくださいます。また、野球を通じて他大学に親友ができました。残念ながら産婦人科に入局した人はほとんどいませんが、大学を超えて親交を深められた事は今でも大きな財産です。
そんな訳で野球にばかり打ち込んでいた私は国家試験に一度失敗し国試浪人となりました。浪人時代は友達の勧めで予備校に通う事になりました。予備校では様々な大学から人がきており、中には同じ聖マリアンナ医科大学に研修する人もいました。予備校の友達はみんな仲が良く今でも飲み会を開く関係で、色々な科に入局した事もあり、他科や他大学の情報も入り興味深い経験をしました。また、中にはそのつながりで結婚したカップルもおり、若干嫉妬しています。
研修は母校でもある聖マリアンナ医科大学を選びました。仲のいい同期や先輩・後輩もいた事もあり、他の大学や市民病院などを選ぼうとは初めから考えていませんでした。もともと学生時代の印象として産婦人科は怖い先生方がいらっしゃり、あまりいい印象を持っていませんでした。実際に研修医として研修する科を選ぶ際に産婦人科は選択肢には入れていませんでした。それが、人数の関係で希望した科が通らず、経膣分娩を見た事がないとふと思い選択したのがきっかけでした。あの頃を振り返るとまさか自分が産婦人科に入局するとはというのが正直な感想です。産婦人科を研修医として回った印象は今までと180度違った印象でした。先生方はみんな優しく気さくに接してくださり、自分の思っていた産婦人科とは全く別の印象でした。特に産婦人科部長の鈴木教授自らが、研修医である僕に気さくに声をかけてくださる事はとてもうれしく、そしてとても励みになった事は今でも忘れません。また、他の先生方も丁寧に指導してくださり、色々なところへ食事に連れて行ってくださったり、飲みに連れて行ってくださったりとプライベートも含めて楽しく過ごせました。一方で産婦人科の分野は多岐にわたり、一概に産婦人科に入局するといっても、どの専門を選ぶかによってその内容が大きく異なる事を知りました。また、それぞれの分野はそれぞれ専門性が高く、他科では味わえない魅力があった事も入局をしたきっかけのひとつだったと思います。
実際に入局してみると、内診ひとつにしても今まで研修してきた知識は役に立たず、産婦人科だけの専門性に特化した手技が多いと改めて実感しました。また、エコーにしても他の先生方が簡単に見たい部位を出しており自分にも簡単にできるのではないかと少しは思っていましたが、実際にやってみるといかに困難かが非常によくわかります。また、通常の業務に加えてサマリーやレセプトなど事務的業務も入局してから初めての経験であり、日々が業務で忙殺される毎日です。そういった理由もあるのか、はたまた自分には向いていないのかわかりませんが、入局した半年でいろいろな仕事や手技をやらせてもらっていますが、まだまだ人並みと言えるレベルには遠い状況です。私の当面の目標は早く人並みに仕事や手技ができるようになる事です。
そのような訳で、産婦人科に入局させていただくにあたり、自分の反省を振り返るような形になりましたが、いろいろな人に支えられた人生だった事がよくわかります。これからもいろいろな人に迷惑をかけて生きていき、いろいろな人に支えられながら進んでいく産婦人科医となるかも知れませんが、一秒でも早く人並みにできるようになり、指導してくださった先生方に少しでも恩返しができるようにがんばっていきたいです。長々と書かせていただきましたが、こちらを挨拶と代えさせていただきます。